東京藝術大学のコレクションは、前身である東京美術学校の開校に先立って開始された芸術作品・資料の収集に始まります。
学生たちの学びに役立つものを、古今東西を問わず収集するという方針のもと、約30,000件(*1)にも及ぶ、様々な分野の作品や資料がコレクションされてきました。
国宝・重要文化財は33件(*2)を数え、美術作品のみならず、作家の資料や、東京音楽学校に収められた楽器などの音楽資料、美術史研究に欠かせない近代美術教育資料など、多彩で魅力的なコレクションが形成されています。
また、コレクションのなかでとりわけ大きな比重を占めているのが、「学生制作品」というジャンルです。東京美術学校では、その開校当初から学生の作品を収集してきました。
通常の課題として制作された平常制作、卒業や修了の際の優秀作品を買い上げた卒業制作・修了制作などがそれにあたります。
なかでもよく知られるのは、油画 (西洋画科) の自画像でしょう。
これらの収蔵品は、卒業生たちが後に巨匠へと育っていったために、日本の近現代の美術史を語る上で欠かせない作品群となっています。
なお、タイトル等には今日的観点から不適切と受け取られる語が含まれている場合がありますが、歴史性や著作権に配慮してそのままとしています。
*1 台帳上の登録件数を指す。1件に数百点含まれるものもあり、点数とは一致しない。なお、かつて『東京藝術大学資料館年報』には、台帳において記載されている資料の総点数を記載していたが、1件に数百点含まれるものが1点とカウントされるなど正確な点数把握とは言い難いため、現在は台帳登録上の件数を採用している。
*2 国の指定番号数は23件。
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