ガラス乾板・紙焼き写真資料
ガラス乾板・紙焼き写真資料の概要
本資料は、文部科学省科学研究費補助金(2013年度~2016年度)「東京美術学校収蔵写真の研究 ー明治期の古写真・ガラス乾板から見る美術教育ー」(基盤研究(B))により整理を行った、東京藝術大学が所蔵しているガラス乾板・紙焼き写真資料である。
東京藝術大学所蔵のガラス乾板は、種別「写真種板」として、東京藝術大学大学美術館収蔵品台帳に記載されている。その記載によると、東京美術学校開校から間もない時期にガラス乾板の収集が開始されていたことがわかる。この度、全ガラス乾板の個別調査を行い、10,706枚のガラス乾板の所在を確認した。 紙焼き写真資料の収集も同様に、東京美術学校開校直後の時期にまで遡ることができる。写真の収集は現在も継続されているが、このうちガラス乾板資料との関連が強いと考えられるものを重点的に調査研究することとした。
10,706件のガラス乾板は、個別包装を行った上で保存容器に収納し、妥当な温湿度環境に保管することで収蔵環境の改善を図り、同時にデジタル化を実施した。また、個別に新旧の物品番号、新旧の保存箱番号、旧保存箱の書き込み情報、ガラス乾板の保存状態、乾板の画面に写り込んでいる文字情報、ガラス乾板の乳剤面およびガラス面に書き込まれた文字情報の記録を行った。さらに、被写体を可能なかぎり特定した上で、分類ラベルを付与した。
紙焼き写真は、ガラス乾板資料との関連が深い資料をデジタル化した。また、個別に、写真に写り込んでいる文字情報、写真台紙に記された書き込み文字情報の記録を必要に応じて行った。さらに、被写体を可能なかぎり特定した上で、分類ラベルを付与した。
この度資料一覧を公開する運びとなり、あわせて所蔵品データベースにおいて検索することが可能となった。
ガラス乾板・紙焼き写真資料の総数と特徴
ガラス乾板総数:10,706点
紙焼き写真総数:508件
特徴:本資料は明治期から昭和初期頃にかけて収集された資料である。
凡例
- URNはデジタル画像に付された通し番号である。URNの順番は資料の内容や形体、年代に関わらない。
- 被写体は、『東京芸術大学芸術資料館蔵品目録』および『東京芸術大学大学美術館蔵品目録』の分類方法を参考に、「絵画」、「彫刻」、「工芸」、「図案・デザイン」、「書跡」、「芸能・音楽」、「写真」、「考古」、「染織」、「拓本」、「資料」、「学制」、「風景」、「建築」の14種類に分類した。分類ができない場合は「分類不可」とした。複数の被写体が確認された場合、上記の順に列記した。
- ガラス乾板資料については、URN、被写体反転、書き込み文字反転、複写、名称、名称2、サイズ(ガラス乾板の判型)、乾板画像内に写り込んでいる写り込み文字情報、乾板乳剤面またはガラス面に書き込まれている書き込み文字情報、典拠、備考を記載している。
- デジタル現像後の画像において、被写体が鏡像反転している場合、「被写体反転」欄に「被写体反転」と記載した。また、被写体の階調が反転している場合、同じ欄に「階調反転」と記載した。乾板乳剤面またはガラス面に書き込まれている文字が鏡像反転している場合、「書き込み文字反転」欄に「書き込み文字反転」と記載した。
- 文献や図版の複写であることが明らかなガラス乾板については、「複写」欄に「複写」と記載した。複写かどうか判別ができないものについては、「判別不可」と記載した。
- 名称について、被写体が特定できた場合には、作家名、作品名を記載し、判明した場合には加えて制作年もしくは作品所在地を記した。被写体の特定には至らないが、諸文献から被写体の名称を推定することができた場合は、「典拠」欄に文献情報を記入し、「名称」欄の末尾に二重丸(◎)を付記した。被写体が特定できなかった場合には、画像から得られた情報を記載した。被写体が東京藝術大学の所蔵品の場合には、当館で付している収蔵品物品番号、制作年等を付記した。なお、本学所蔵品の場合、[作家姓名《作品名》(本学収蔵品の物品番号 制作年 学生の所属)]という表記に統一した。また、他所蔵品の場合は、[作家姓名《作品名》(制作年 作品所在地)]という表記に統一した。複数の被写体が確認された場合には、上段右、上段左、下段右、下段左という順に、カンマ(,)で繋いで列記した。作家、作品に別名がある場合は、「名称2」欄に列記した。
- 紙焼き写真資料については、URN、物品番号、写真旧番号、被写体の分類、名称、名称2(被写体の名称)、サイズ、写真の画面内に写り込んでいる写り込み文字情報、台紙に書き込まれている書き込み文字情報、典拠、備考を記載している。
- 名称については、東京藝術大学大学美術館収蔵品台帳の名称を参考に記載し、必要に応じて修正を加えた。
- 名称2について、被写体が特定できた場合には、作家名、作品名を記載し、判明した場合には加えて制作年もしくは作品所在地を記した。被写体が特定できなかった場合には、画像から得られた情報を記載した。被写体が東京藝術大学の所蔵品の場合には、当館で付している収蔵品物品番号、制作年等を付記した。なお、本学所蔵品の場合、[作家姓名《作品名》(本学収蔵品の物品番号 制作年 学生の所属)]という表記に統一した。また、他所蔵品の場合は、[作家姓名《作品名》(制作年 作品所在地)]という表記に統一した。複数の被写体が確認された場合には、上段右、上段左、下段右、下段左という順に、カンマ(,)で繋いで列記した。
- 本資料において、東京美術学校および東京藝術大学の学生制作品のうち、卒業制作と特定したものについては、卒業年度とその所属を記載した。なお、所属については、学部学科までの記載とした。
- 海外作家の姓名表記は、[ファーストネーム・ファミリーネーム]とした。日本語の表記が定着していない場合は、表記が判明した言語で記載した。
- 姓名および作品名の漢字については、可能な限り新字体で表記した。なお、仮名遣いは、典拠となる資料の記載に倣った。
- 本資料において、東京美術学校および東京藝術大学の学生制作品のうち、卒業制作と特定したものについては、卒業年度とその所属を記載した。なお、所属については、学部学科までの記載とした。
- 海外作家の姓名表記は、[ファーストネーム・ファミリーネーム]とした。日本語の表記が定着していない場合は、表記が判明した言語で記載した。
- 姓名および作品名の漢字については、可能な限り新字体で表記した。なお、仮名遣いは、典拠となる資料の記載に倣った。