台東区では、昭和56年度から東京藝術大学の優秀な卒業作品の制作者に台東区長賞を贈呈し、若手芸術家の育成を支援しており、その作品群は区の貴重なコレクションとなっています。
創設30周年を迎え、受賞作品数は63作品を数えるまでになりました。これまでの受賞者は、第1回受賞の手塚雄二(日本美術院同人、東京藝術大学教授)をはじめとして、院展、日展など美術界や日本の美術教育の場で活躍をしています。
本コレクションには、制作者の若き日々、学生時代にしか描くことのできない、そして、学生時代だからこそ描くことのできた何かが詰まった作品が並んでいます。
さらに今回は、その質と量で日本有数とされる敦煌莫高窟壁画模写コレクションの一部も展示します。
日本文化の形成に大きな影響をもたらしたシルクロードの文化交流の地にある敦煌莫高窟は、ユネスコの世界遺産として登録される貴重な文化遺産です。本区のコレクションは、中国敦煌研究院の協力のもと、東京藝術大学大学院の学生が、仏教伝来の源流を探求するべく可能な限り現地に赴き、修了制作の一部として制作したものです。また、この取り組みを通じた敦煌石窟保護保存の活動は、アジアにおける文化財保護支援へと連なっています。
東京藝術大学の協力を得て開催いたします「区長賞創設30周年記念 台東区コレクション展」。是非この機会に、文化・芸術の杜上野を巣立った芸術家たちの作品をお楽しみいただき、個性豊かな作品の中から、あなたの好きな台東区コレクションを見つけていただければ幸いです。
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