日程2024年3月23日(土) - 2024年4月7日(日)
2024年3月23日(土) - 3月24日(日)
2024年3月28日(木) - 3月31日(日)
2024年4月4日(木) - 4月7日(日)
午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
月曜日、火曜日、水曜日
東京藝術大学大学美術館 陳列館1、2階 & 周辺エリア
無料
うら あやか、唐沢絵美里、ジャスミン・重村・リー、横手太紀、吉濱翔
ルドミラ・ゲオルギエヴァ、ベンジャミン・コーマン、張一博、宮澤佳奈
Karry Jie
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻
一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン
art school U
東京藝術大学版画研究室
CON_
若井産業ホールディングス(HUG BLOCK)
本事業は、 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科が開設した授業の一環として実施されます。学生たちがキュレーション実践の理論や各自の研究活動をもとに企画を行い、協力者や来場者とのさまざまな交渉や反応を通して新しい学びの機会を得ることを目指しています。
「敷居を踏む Step on the Threshold」は、訪れる人を屋内と屋外、アートと自然、そして日常生活と美術制度のあいだの空間へと招く展覧会です。本展では、私たちが当たり前に受容している境界線の〈敷居/閾(しきい)〉に存在するアートのあり方を探ります。 さまざまな媒体で活動する5人の現代アーティストの作品を紹介すると共に、会期を通したワークショップやパフォーマンス、ウォーキングツアーによって、展示空間としてのギャラリーの内・外を解きほぐすことを目的としています。
日本において現代アートは、しばしば「敷居が高い」と形容されます。また、日本家屋に一般的に見られる敷居は、建具のためのレールであると同時に、空間と空間を区切る〈敷居/閾(しきい)〉でもあります。敷居を踏まないという風習は、そこに在っても関わりを避けるものとしての閾を浮かび上がらせます。こうした意味で〈敷居/閾(しきい)〉は、変容の過程における座りの悪い「中間の形態」としても理解されます。しかし、ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンが指摘したように、それは新たな現実が息づく「敷居の魔力」にもなり得るのではないでしょうか。
風の音や、無数にある石、私たちが日々出会う身近な物語は、どこからアートと銘打たれ、識別されるのでしょうか?日常の体験は、私たちのアートの受容をどのように彩り、ギャラリーの中での出会いは、一歩外に出た世界の見え方をどのように変えるのでしょうか。本展では、アーティストや訪れる人の一人ひとりが、展覧会の「外」から持ってくる経験、そして展覧会の「内」から外へと持ち帰る体験のつながりに注目します。
5人の出展アーティストは作品を通し、完成された形態よりも、こうした変容そのものを見つめます。それは画然とした境界を、周辺環境、物質、社会、制度といった側面から問い直す実践です。ウォーキングツアーや〈注釈 (Footnote) 〉、そして陳列館内に設けられた資料・考察・記録のためのスペース〈中庭〉は、内と外、アートとそうでないものといった一見硬直した区別を、相対的なものへと再構成する試みです。
近年におけるインターネットやソーシャルメディアへの絶え間ない接続や刺激は、ものごとに対する両極化した「確かさ」の感覚を産んでいます。政治的・社会的な分裂や不均衡が拡大し、差異への無関心が広がる今日、〈敷居/閾(しきい)〉がもたらす多義的な体験は、互いから遮断された情報の流れを再考させてくれるでしょう。本展が、アートを通して中間にある景色を見出し、私たちの周りにすでにある環境と新たな方法でつながりを持つきっかけとなることを願います。
展覧会のオープン日は毎日、参加作家によるパフォーマンスやワークショップ、共同キュレーターによるウォーキング・ツアーをはじめとしたイベントを開催いたします。詳細や変更については、GA のウェブサイト (http://ga.geidai.ac.jp/) 及び本展の特設ウェブサイト、SNS よりお知らせします。
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