東京藝術大学大学美術館 The University Art Museum, Tokyo University of the Arts

展覧会・催し物

不和のアート:芸術と民主主義 vol. 3

日程2025年6月13日(金) - 2025年6月15日(日)

不和のアート:芸術と民主主義 vol. 3

会期

2025年6月13日(金) - 6月15日(日)
午前10時 - 午後6時(入館は午後5時30分まで)

休館日

会期中無休

会場

東京藝術大学大学美術館 陳列館1、2階

観覧料

無料

主催

東京藝術⼤学東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 毛利嘉孝研究室、清水知子研究室

企画概要

2022年、2024年に引き続き「不和のアート:芸術と民主主義 vol. 3 (The Arts of Dissent: Art and Democracy vol. 3)」を開催します。 最初の「不和のアート」展は、2022年5月、新型コロナウイルス感染拡大がようやく収束しつつある時期に、国際政治の急激な変容を受けて緊急開催されました。同年2月に始まったロシアによるウクライナの侵略が一つのきっかけです。第2回の「不和のアート」展は、2024年6月、前年に始まったイスラエルの徹底的なパレスチナ攻撃の最中に開催されました。もちろん問題はウクライナやパレスチナでけではありません。世界中でナショナリズムや自民族主義、レイシズムや排外主義が広がり、権威主義的国家の台頭、暴力による政治的弾圧、少数民族の迫害、原理主義の拡大が進んでいます。「不和のアート」展は、この民主主義の危機に対して、どのようにアートが関わることができるのかを考えようとしたものでした。
今回、第3回目の「不和のアート」展を引き続き開催しなければいけない状況に対して私たちは忸怩たる思いです。ロシアのウクライナへの侵略は依然として続いており、イスラエルのパレスチナに対する攻撃はもはや民族浄化(ジェノサイド)とも呼ぶべき最悪の状況へと突入しています。その一方でトランプ政権誕生後のアメリカは、近代的民主主義の理念さえも捨て去ろうとしているようにも見えます。ヨーロッパの右派勢力や排外主義は拡大を続け、アジアにおいても政治的緊張と原理主義が確実に進行しています。民主主義の機能不全はもはや否定することができません。
「不和のアート:芸術と民主主義 vol. 3 (The Arts of Dissent: Art and Democracy vol. 3)」は、政治、特に民主主義と芸術との関係を議論する一時的な場を作ろうというものです。この間の国内外の芸術と民主主義をめぐる議論を踏まえつつ、展示やパフォーマンス、ディスカッション、ワークショップを迎え、この危機的な状況において何ができるのか考えたいと思います。

参加作家/プロジェクト:

アメル・ナーセル、DANNY JIN × 藤井光、イリヤ・イェラシェビッチ、KOHARU Project、ピオトル・ブヤック、国境なき朗読者たち(金子森、岡真理) 、中島りか、アレクサンドル・タルバ、キム・ソンウン、ヴィクトル・ヤクシェフ × 佐藤小百合、Visit Palestine Project、Watermelon Alliance 、ウカセン、他

イベント情報:

蜂起・暴力・テクノロジー

日時:6/14(土) 14:00-15:30

会場:陳列館1F

ゲスト:中島りか、アレクサンドル・タルバ、長尾優希、清水知子

言語:日本語

デジタル化と人間拡張が進行する現代、私たちはテクノロジーと暴力の結びつきにどう向き合うべきだろうか。本トークでは、ドローン、生政治、監視資本主義、クィア理論を横断的に参照しつつ、技術の過剰さとその内在的な暴力性を捉え直す。蜂=蜂起という寓意や精神分析の視点を手がかりに、単なる技術批判を超えて別様の関係性の構築について議論する。

《ガザ》のあとで、それでもなお、人間として生き続けるために

日時:6/14(土) 16:00-18:00

会場:陳列館1F

ゲスト:国境なき朗読者たち(金子森、岡真理)

言語:日本語

《ガザ》のあとで、私たちは生きることができるでしょうか。《ガザ》のあとで、私たちはなお、人間でいられるのでしょうか。英語ないしアラビア語で、ガザから発信された、あるいは、ガザのために書かれた詩とエッセイを、解説を交えながら日本語で朗読します。「ことば」の耐えられない軽さに抗して、ガザに人間性を繋留しようと欲して紡がれる「ことば」によって、私たち自身が、この世界でなお人間として生きていくために。

Body Printer

日時:6/15(日) 11:30-13:00

会場:陳列館2F

ゲスト:Watermelon Alliance

言語:日本語 / 英語

『パレスチナの声:第三回』と連動して、参加型のパフォーマンスとディスカッションを実施する。パフォーマンスでは、参加者が茶色いロール紙の上に寝そべり、別の誰かに身体の輪郭をなぞってもらう。ひとつ、またひとつと身体が紙に刻まれていくたびに、ロールはさらに引き伸ばされていく。この作品は、身体を通じた問いかけであり、応答だ。パレスチナの声を書くとき、読むとき、そこに賭けられているものは何なのか。身体の内側に、あなたは何を記したいだろうか?"

魔女のアクティビズムー吟遊詩人たちのスペキュラティブ・ファビュレーション

日時:6/15(日) 13:30-15:00

会場:陳列館1F

ゲスト:中島りか、円香(現代魔女)

言語:日本語

20世紀に再興した現代ペイガニズム/ウイッカ、現代魔女文化は神話と儀礼を介し、右左の政治思想を越えた複雑な文化を形成してきた。彼らの中には魔術的な政治活動に関わった人々も存在する。ここではペイガニズムの歴史を検証し、豪州・北米のリクレイミング派の魔女が脱植民地やフェミニズム、クィアの視点から神話を再解釈しアクションへと接続する吟遊詩的なスペキュラティブ・ファビュレーションの力学を解読する。

《25番目の時間》上映会 / アーティスト対話

日時:6/15(日) 16:00-18:00

会場:陳列館1F

ゲスト:キム・ソンウン

言語:日本語 / 韓国語

済州島カンジョン村----海軍基地の建設に直面するこの場所で、人びとは今もなお、抵抗の日常を生きている。本プログラムでは、2013年より村に通い、記録を続けてきた映像作家キム・ソンウンによるドキュメンタリー作品《25番目の時間》を上映する。上映後には、上野とカンジョン村をリアルタイムで接続し、村の人々、アクティビスト、芸術家たちとともに現地に在住するキム・ソンウン監督とのオンライン・トークを実施する。地政学的文脈、シャーマニズム的感性、共同体の持つ空間などに触れながら、映像の地層に流れる「抵抗の時間」に立ち会い、日韓それぞれの基地問題やそこから生まれる連帯の可能性をあらためて問う場となるだろう。

問い合わせ

ハローダイヤル:050-5541-8600

天候・災害等の状況により、臨時に休館、開館時間の変更を行う場合があります。
ハローダイヤル【050-5541-8600】でご確認ください。

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